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Posted by おてもやん at

2021年05月12日

区役

 4月末の日曜日は地域の一斉清掃の日だった。 私は持病の背痛のため、数時間の作業に
体力が持つかどうか自信がなかった。 さりとて、炊事・洗濯・買い物等の日常はできているので、
参加しないで自宅で休んでいるほどでもない。

 そう考えて区役に出た。 ちなみに不参加の場合、2千円の負担金が課せられる。

 午前8時、公民館をスタートし、まずは草刈り機を持った男性4人が毎年、決められたコースで
ある道路脇の雑草を刈り取っていく。  その後ろを、刈り取られて散らばった雑草を土手に放り
投げながら、私たちが続く。

 私はゴミ袋を持って、雑草の中から表れた空き缶・紙くず・たばこの吸い殻などを集めながら
ついていった。 この日の参加者は15名。 その内の5名が女性だ。 女性のうち、私を含めた
3名が夫を亡くし、2名は夫が病気療養中である。

 作業は進み、土手から降りて田んぼの向こう側の長く続く側溝に行く。  側溝は深く、汚水が
ヘドロ状になっている上、土手は竹が生い茂っている。 この辺りになると私は全く役に立たない。
身体もきつい。 周りの人たちに申し訳ない。 そう思いながら黙ってついて行くのは苦痛だった。

 やっと終わった時は、2時間半が経過していた。 もやもやした気持ちのまま、皆さんに
「お疲れさまでした。」 と挨拶して我が家に戻った。 すぐに風呂のお湯を入れ、痛みのある
背中を湯船でゆっくり温めてほっと一息ついたのであった。



      KOGA
  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:40おしゃべり通信(KOGA)

2021年04月28日

ハルちゃん

 友人宅にひ孫が生まれた。 名前は、ハルちゃん。 生後8か月である。 
福岡に住んでいるが、先日、実家に帰ってきていて私も会うことが出来た。 ママに抱かれて
玄関先で会ったが、コロナ禍にあってあまり近寄れない。

 ハルちゃんはじっと見つめてくれる。 澄んだ瞳がきれいだ。 かわいい。 抱っこしたい。
ふくよかな頬を指でチョン、チョンしたい。 今、ハルちゃんに私のマスク顔はどういう風に見えて
いるのだろう。

 ハルちゃん、私のマスクの下は笑顔だよ。 「かわいいねえ」 という声のトーンでわかってくれる
かなあ。 48年前、私が長男を産んだ時、初孫を抱きながら母が言った言葉がよみがえる。

 「赤ちゃんは、自分の側にいる人を覚えようと思ってじっと見るんだよ。」 
そうか、ハルちゃんも自分に声を掛けてくれる人を一人ひとり覚えていこうと思ってじっと見つめて
くれるんだね。

 ハルちゃんが生まれる時、彼のじいちゃん、ばあちゃんは福岡まで会いに行けなかった。 
ママから送られてくるスマホの動画でしか会えなかった。 私も友人宅に行く度にその動画を見せて
もらった。

 生後3か月の頃、初めて帰って来た時もマスク顔でハルちゃんに会った。 かわいかった。
コロナ禍の中で生まれた赤ちゃんたちは、生まれたその時から周りの人たちの多くはマスク姿だ。
感情がわかりにくい中で、赤ちゃんたちの感性はどのように育まれていくのだろうか。

 ハルちゃんの健やかな成長を願っている。



       KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:26おしゃべり通信(KOGA)

2021年04月21日

母の薬代

 母が老健から今の有料老人ホームに移って1年半になる。 毎月、入居中の利用料請求兼
領収書が送られてくる。 家賃や食費・管理費その他、諸々の介護保険加算の総合計は、
かなりの額だ。 その他にも、おむつ代・医療費・薬代等がある。

 毎月、目を通してノートに記録しているが、先日ふと気づいたことがある。 それは薬代だ。
請求額通り、銀行引き落としで支払っているが、私は自分の親が毎日どんな薬を飲んでいるか
全く知らなかった。

 そこで、施設と提携している調剤薬局に電話して、 「服用薬品名カード」 を送ってもらった。
それを見て驚いた。 1日十種類の薬が処方されていた。

 内訳を見ると、朝だけが3種類、夕だけが1種類、朝夕2回が2種類、3食後が4種類だ。
1日でこんなにたくさんの薬を飲んでいることは全く知らなかった。

 月2回の訪問診療で2週間分の薬が処方される。 この薬価代の他に 「居宅療養管理指導員
(薬剤師の訪問管理費)」 という介護保険報酬が加算される。 これも2回分で690円だ。 介護
保険適用にしては毎月薬代が高いなあと思っていたが、これだけの量であれば納得できる。

 ただ、もう少し減らすことはできないものだろうか、と思った。 しかし、 「これだけ服用している
から今の体調を維持できているんです。」 と言われれば何も言えない。




      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:12おしゃべり通信(KOGA)

2021年04月12日

竹の子

 プール仲間から竹の子をもらった。 彼女の優しい性格が感じられるように、丁寧に湯がいて
あった。

 味噌汁、豚肉との味噌炒め、いりこをたっぷり入れた煮しめ、エビ入り竹の子ご飯等、竹の子
づくしの料理を作った。 竹の子ご飯が一番おいしかった。 特別、竹の子が好物という訳では
ないが、旬のこの時期、一度は食べたい食材である。

 私には、毎年長年にわたって自宅の竹山から掘りたての竹の子を送ってくれる友人がいる。
竹の子を掘り出すのは彼女のご主人だ。 一度、一緒に行ったことがあるが、竹の子堀りは
楽しいけれど重労働だ。

 今年は、プール仲間からの頂き物で竹の子の味は満喫したので、もういらないかなあと思った。
しかし、なかなか言いにくいなあとためらいながらも思い切って電話した。 「あら、もう届いた?」
と彼女の明るい声。

 一瞬、詰まって 「ご主人もだんだん年をとってこられて、申し訳ないなあ・・・と思って」 と言い
かけたところで彼女が 「それで、もういらんて思ったと?」 と笑いながら言った。 そして、「大丈夫、
あちこち痛いて言いながら好きで掘ってるから来年も送るよ。」 と言う。 有難いことである。

 竹の子は、電話をした数時間後に届いた。 今年、2度目の竹の子料理を味わった。




      KOGA

  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:10おしゃべり通信(KOGA)

2021年03月31日

観葉植物の植え替え

 1か月ほど前、深夜2時頃地震があった。 部屋全体が揺れて何かがバタンと倒れる
音がした。 窓の外に立てかけている竹ぼうきが倒れたのかもしれないと思いながら、
何気なく枕元から両手を伸ばしたら何かが手に触れた。

 起きて電気をつけてみたら、ベッドから少し離れた所に置いている鉢植えのゴムの木
だった。 私が触れたのはその葉だったのだ。 高さが2メートル位あり、下葉は落ちて
しまって上部に十数枚の葉が重なり合っている。 頭が重すぎて倒れたのだった。

 この木は夫が買ってきた物で7年くらい経っている。 夫が亡くなって5年。
水だけは欠かさなかったものの小さくなった鉢の中で、根はがんじがらめになっているに
違いないと、その時初めて気付いた。

 私は園芸に全く関心がない。 だからどうしていいか分からない。 本当は数年ごとに
植え替えをしなければならなかったのだ。 翌朝、友人に電話してスーパーの園芸売り場に
同行してもらった。

 そこはいつも、私が素通りしていた売り場だ。 観葉植物用の土があった。 有機肥料も
含まれている。 それと、水はけ用の小さく砕いた軽石のような物も買った。

 家に持ち帰って、土の袋に書いてあった植え替えの方法をしっかり読んで、植え替えに
取り組んだ。 白い小さな鉢から引き抜いた根は思ったよりも少なく、小さく土に絡まって
いた。

 大きい鉢の底に軽石のような物を敷き、土を入れてゴムの木を鉢の中心に置いた。
隙間を土で埋めていく。 押し込んでしっかり固定させて、水をたっぷりかけた。

 のびのびと根を伸ばして、これからも生きて欲しいと願う。



 
    KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 14:00おしゃべり通信(KOGA)

2021年03月22日

地震の恐怖

 3月14日午前9時22分頃、地震があった。 私はその時、居間のテーブルで写経をしていた。 
すぐにテーブルの端を両手でしっかりつかんで、揺れを体感した。 テレビをつけたら、NHKの
「日曜討論」 で新型コロナウイルスのワクチンについての討論が行われていた。

 画面上方に 「熊本地方に震度4」 という表示が出た。 宇城市も震度4だった。 揺れは30秒
くらいだったと思われたが、とても長く感じられた。 震度3と震度4とでは、恐怖感がだいぶ違う
と思った。

 しばらく動悸が治まらなかった。 目の前の写経紙を見つめながら身も心も動けないでいた時、
電話があった。 5年前の熊本地震の時、私を避難させてくれたSさんからだった。
「あ~、古賀さん。怖かったですねぇ。」

 その声を聞いてスッと恐怖心がとれた。 彼女は柱につかまりながら、2階の揺れる音が大きく、
それが怖かったと言い、 「古賀さん、どうしてるかなあ。」 と思ったという。 一人暮らしの私を、
気遣ってくれたのがとても心に響いた。

 私も、 「Sさあん。」 と心の中で呼びかけていたので、お互いを気遣い合える関係が嬉しかった。
怖さを共有できる友人がいることの心強さを思った。



      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 14:17おしゃべり通信(KOGA)

2021年03月12日

盗られ妄想

 週に1~2回、有料老人ホームに母の入れ替えの洗濯物を届けに行っている。 事務室横の
玄関で、職員さんが洗濯物を持って来られるのを待つ。

 先日、待っている間、事務員さんが 「この前、Mさん(母の名前)がズボン下がなくなった、と
言われたそうですよ。 その時、怒られて怖かった。 どうしたらいいんですかね。」 と、職員から
聞いた事を言われた。

 「盗られ妄想が出てきていますね。 うまく話を合わせてください。」と言いながら、そういう問題を
世間話をするように事務員から聞くのはおかしいと思った。 更に彼女は言った。 「前は1だった
のが今は5になっている、とその職員が言っている。」と。

 母は95歳になるが、要介護度は1である。 まだ、手押し車を使って自力で歩いているし、トイレ
にも自分で行ける。 それがいきなり、要介護1から5になるとは考えられないので、 「認知度
ですか?」 と聞いたら 「そうです。」 と事務員は言った。

 「でも、こういう問題は事務員さん通してではなくて、職員さんから直接、私に話をしてもらって、
双方で問題解決の方法を話し合うべきだと思います。」 と私は言った。そして、何かがなくなったと
思っている母が、職員が 「怖い」 と感じるような怒り方をするだろうか、と思った。

 と同時に、利用者に何か問題が生じたら、事務員に愚痴る前に職員間でミーティングをして、
みんなで共有して、より良い方向性を見出すべきではないだろうかと思った。



      KOGA

  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:40おしゃべり通信(KOGA)

2021年03月03日

きんかん

 昼頃、プール仲間から電話があった。 「あのね、きんかん、いる?」
 「いらない。」 と、私は即答した。 一瞬の間があり、彼女は笑い出した。 

 私も笑いながら、 「ごめん。 返事が早すぎたね。」 と言うと、 「庭のきんかんば、
ちぎったったい。いるかどうか聞いてから、と思って。」 と言う。

 その時、私は、生のきんかんをいらないと言ったのだが、もしかしたら彼女は 「きんかんの
甘露煮」 を作ってくれるのではないかとふと思った。 そういう手作りが得意な人なのだ。

 それで 「あのね、甘露煮だったらもっといらない。」 と重ねて言ったら、 「わかっとるよ。
甘いものは好かんだったもんね。」 とまた笑った。

 電話を切ってから、もっと婉曲に優しく断れば良かったと思った。 しかし、イエス・ノーを
はっきり言う性格は、いつも反省しているがなかなか治らない。

 プール仲間の彼女は、私が豆乳メーカーで作ったおからをいつももらってくれる。 先日、
プールで 「おから、ある?」 と彼女に聞かれて持って行ったばかりだったので、きんかんは
そのお返しのつもりだったのだろう。

 「いる。」 「いらない。」 とはっきり言い合える信頼関係が出来ていると思える友情を大切に
したい。



     KOGA

  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:40おしゃべり通信(KOGA)

2021年02月24日

一人暮らしの一日

 一人暮らしをしている私は、買い物や外出の予定がない日は一日中家にいることが多い。
私より数年前に、ご主人を亡くした友人が 「一日中、誰ともしゃべらん日があるとよ。」 と
言っていたことを思い出した。

 午前中は本を読んで過ごしたが、今日は電話もかかってこないし、誰ともしゃべっていない。
そう思って午後3時頃からウォーキングに出た。 国道から外れて、自宅周辺の路地から
農道へ続くいつもの散歩コースを歩く。

 毎月一日に神棚用の神花を届けてくれるSさんが、陽当たりのいい縁側で爪を切っているのが
ブロック越しに見えたので、声を掛けた。 「今日はゆめマートまで自転車で行ってきた。」 と
彼女は笑顔で言った。

 しばらく歩いて行くと、いつも 「あなたは元気ねえ。」 と言ってくれるBさんの姿が見えた。
「よく働かれますねえ。」 と声を掛けたら、 「花ば植えとる所の草取りばしよっと。」 とおっしゃる。

それから、また歩き始めた。 道路脇に小さな祠があるので手を合わせた。 意識して背筋を
伸ばし、両手を振ってどんどん歩く。

 3号線を横切って農道に出た。 近所の農家さんが広い茎ブロッコリー畑で収穫しておられる。
私に気付いて 「持って行かんな。」 と、ポキポキ折ってくださった。

 それを花束のように持って農道を一巡し、我が家の近くまで来た時、5年前の熊本地震以来
空き家になっている枯れた雑草の庭に梅の木が見えた。 主はいないけれど、沢山の白い
可憐な花を咲かせていて、春の息吹を感じた。

 30分間、3キロ、約4000歩のウォーキング。 外に出たおかげで、出会えた人たちと会話する
ことができた。




KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 11:32Comments(0)おしゃべり通信(KOGA)

2021年02月12日

3冊の卓上カレンダー

 毎年、年末になるとロサンゼルス在住の叔母から 「卓上カレンダー」 を頼まれて送っている。
 昨年末も例年通り書店に行って、3冊のカレンダーを買った。 「子猫」 と 「子犬」 ともう一つは
美しい写真の 「風水」 カレンダーだ。 

 早速、小包にして郵便局に持って行った。 ところが、新型コロナ感染防止のため、海外への
小包は受け付けられないという。 仕方なく持ち帰って叔母にそのことを手紙で知らせた。
返信がないので、手紙も届いているのかわからない。

 年が明けたが、3冊のカレンダーは本棚の隅に立てかけられたままだ。 そんな中、コロナで
会えない日々が続いている友人から電話があった。 

 16年間、一緒に暮らした犬が亡くなって淋しい、と言う。 それで閃いた。 子犬のカレンダーを
送ってひとときの慰めにしてもらおうと。 アメリカに送れなくなった理由も書いて郵送した。

 数日後、同じ宇城市内だけどめったに会えない友人が訪ねてきてくれた。 彼女にも訳を話して
風水カレンダーをプレゼントした。 残るは子猫の貰い手だ。 そこでまた閃いた。

 新聞投稿が縁で交流が続いているSさん。 彼女が 「動物愛護センター」 から生まれたばかりの
赤ちゃん猫を、一時、預かって育てる 「ミルクボランティア」 をしていることを思い出した。 早速、
子猫カレンダーを送ったら、とても喜ばれた。 カレンダーだけは来年に持ち越す訳にはいかない。

 3冊の卓上カレンダーの行き先が決まり、無駄にならなくて本当によかった。



       KOGA





  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 14:05おしゃべり通信(KOGA)

2021年02月05日

漢字一文字で表すと

 「生涯学習に新聞を」 というコンセプトで始められた 「新聞井戸端会議」 は、昨年末で
250回になった。 月2回、講師が手作り資料を作って宇城市まで来てくださる。 彼は
元新聞記者なので、これまで新聞に関して知らなかった様々な事を沢山学んでいる。

 新聞に取り上げられた記事について全員で自由に語り合う2時間は勉強になる。 
しかし、堅苦しい学びばかりではなく、楽しく面白い事も多々あって、それが15年間も
続いてきた所以だろうと思う。

 昨年末は、講師が 「自分の夫 (妻)を 漢字一文字で表す」 というお題で紙を配られた。
メンバーは全員70歳代で、私を含め3人が夫を亡くしている。 存命中といなくなってからの
夫への思いは全然違う。

 私は自分が何と書いたか思い出せないが、Aさんは、 「憧」 という文字を披露した。
大学時代にすてきだなあと思って以来、亡くなった今でも憧れの存在であると。

 漢字はわからないが、 「のさり」 と書いた人もいた。 「縁」 よりも深い気がする。

 この中で、私が一番いいなあと思ったのは、 「当」 という一文字だった。 彼は、この文字を
示して奥さんのことを 「宝くじに当たったような思いだ」 と言った。 奥さんは嬉しいだろうなあ
とちょっとうらやましくもあった。

 講師は、いつもこんな楽しい企画を持って来て下さる。 月2回の新聞井戸端会議は欠席
したことが無い。



      KOGA

  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:47おしゃべり通信(KOGA)

2021年01月25日

梅干しの貰い物

 私は梅干しが好きで、毎食に欠かせない。 しかし、自分で梅干しを漬けるのは苦手で、
ずっと他人様からの貰い物をアテにしてきた。 

 数年前、我が家の庭の梅の木が見事な実を実らせたのを見て、これまであまり関心が
なかったのに、ふと、このままではもったいないと思った。 友人に漬け方を聞いた。 
それが思いのほか簡単で、初めてにしては色よく、味よく仕上がって大満足だった。

 ところが、昨年はその梅の木に全く実が実らず、仕方なく2キロの梅を買って漬けた。
たった2キロだから昨年末には一人で食べ尽くしてしまった。

 私には毎年、自慢の梅干しをくれる友人がいる。 今年の初め、思い切って彼女に
「梅干しを譲ってもらえないだろうか。」 と電話した。 その返事は 「ごめん。 もう無いのよ。
私の梅干しは評判が良くて10軒くらいに配ったから。」 と言う。

 がっかりしながら 「やっとの思いで電話したっよ。」 と言ったら、 「私には何でも言って。」
と明るく返してくれた。 そのひとことが、私の厚かましい思いを打ち消してくれた。

 数日後、彼女から 「甕の底をひっくり返してみたら少し残っとったよ。取りにおいで。」 と
電話があった。 急いで行ったら、 「あなたにやろうと思って作っていた栗の渋皮煮を冷凍
しとった。」 と言って、梅干しと一緒に持たせてくれた。

 帰って、梅干しのパックを開けた時、 「ああ、これがNさんの梅干しだ。」 と思った。
ひとつぶ、ひとつぶが美しかった。



      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 11:40おしゃべり通信(KOGA)

2021年01月18日

コロナ禍の中で

 昨年末から、熊本県では新型コロナの感染者が増え続けており、県内あちこちの介護施設で
クラスターも発生している。 母が入居している老人ホームでも厳しい面会制限が通達された。 
面会時間は1回15分。 面会人は原則2人で予約が必要となっている。 

 受付で必要事項を記入し、検温してパーテーションで仕切られた面会室に行く。 そこへ、
職員に連れられた母がマスク姿で来て、お互い設置された電話で話す仕組みである。

 目の前に本人がいるのに電話で話すのは違和感がある。 しかし、これまで誰もが経験した
ことのない感染症対策だから、ルールは守らなければならない。

 そういう状況の中、ホーム職員から電話があった。 「お母さんがカットと染めをしたいと言って
おられるんですけど。」 「本人がしたいと言っているのならしてください。」と言って電話を切った
ものの、ふと考えた。 

 これだけ感染者が増え、面会も制限されている今、母への訪問美容は必要なのかと。

 このホームでは、契約している美容室があって、2か月に1度定期的にカットと染めがセットに
なっていて、1回5,650円だ。 そもそも毛量も少なく毛も細くなっている高齢の母にとって、
2か月ごとのカットと染めは多すぎるように思う。

 そう思ったので、ホームに電話して私の思いを伝え、 「今回の美容はしません。 母には私から
伝えます。」 と言った。

 早く、何も心配せずに自由に行き来が出来、誰とでも会える生活に戻れることを願うばかりで
ある。



     KOGA
  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 12:55おしゃべり通信(KOGA)

2021年01月12日

検温あれこれ

 新しい年が明けた。 今年の年賀状のほとんどに、コロナに関する様々な思いが書かれて
いた。

 感染の勢いは止まらない。 外出時のマスクは必需品である。 同時に、外出先での検温。
この検温については、場所によって対応に違いがある。

 ほとんど毎日通っているプールでは、 「自分で測って来てください。」 という自己申告である。
(受付に検温器は置いてある。)

 プール近くの図書館では職員が測ってくれるが、無言である。 自分が何度なのか、わから
ない。 なぜ黙っているのか聞いてみたら、 「個人情報だから」 という館長の方針だとの事。
受付で相応の距離は取っているのだから、他者には聞こえないと思うのだが。

 毎月、定期受診で通っている医院では、入り口で風邪の症状があるかどうかを聞かれ、額で
検温した後、その数値を見せてくれる。 自分ではっきり確認できるのがいい。

 近くの 「道の駅」 では、縦長のテレビのようなパネルがあって、自分の全身が映ると同時に
体温の数値が出る物が設置してある。

 マスク・消毒・検温は、最低限の感染防止の自衛手段だと思う。 



      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:44おしゃべり通信(KOGA)

2020年12月25日

素敵なお婆さんになりたい

 突然の腰痛で、コロナの自粛でもないのに家から出ないでじっとしているのはつらかった。
図書館にも行けないので自分の書棚を眺めてみた。 
そこで目についたのが 「素敵なお婆さんになりたい」 という本だった。

 著者は松原淳子さん。 私と同い年で現在73歳であるが、この本が書かれたのは彼女が
52歳の時である。 平成11年7月に購入している。 読み進んでいくうちに、次の文章が
目に留まった。

 「先日、1年ぶりに憧れの年上の女性に会った。 彼女は55歳くらいだろうか。 いつも
若々しくて品の良いインテリである。

昨年会った時は、いつものように素敵だなあと感じたのに、先日会った時は、彼女の顔の
中にまぎれもなく 『おばあさん』 を見てしまったのである。 白髪の量やシワの数で老けたと
思ったのではない。 口元に 『おばあさん』 を感じたのだ。」

 このくだり (件) を読んで、私はハッとした。 今、まさに私が鏡を見て一番老いを感じるのは
口元なのだ。 現在の松原氏の口元はどうなのだろうか。 どのような素敵なお婆さんになって
おられるか会ってみたい気がする。

 それにしても52歳の時、この本のタイトルのように 「素敵なお婆さんになりたいと思って
買ったんだろうな・・・」 と感慨深いものがあった。

 本のタイトルの下に 「老いは心の持ち方しだい」 のひとことが付け加えられていた。



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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 14:39おしゃべり通信(KOGA)

2020年12月18日

突然の腰痛

 先日、朝、何もしていないのにいきなり腰がギクッと痛んだ。 しかし、痛みがさほど強く
なかったので、午前中、近くの道の駅やスーパーで買い物を済ませた。

 そして午後からいつものようにプールに行って、 「今朝、ギックリ腰になった。」 と言ったら、
プール仲間から 「じっとしとかんといかん。 今夜ひどくなるかもしれんよ。」 と言われ、
泳ぎを止めてウォーキング20分で終えた。

 一晩寝てひどくなることはなかったが、いつも健康相談をしている友人に電話した。
「腰を冷やして安静にしとって。」 と言われたので、小さなアイスノンを薄いタオルでくるんで
ベルトで締めている。

 しかし、1時間もすると腰からだんだん冷えて寒くなってきた。 アイスノンを外して布団に
入った。 本を読み始めたが少しも眠くならず、寝ているのにも飽きてきた。何もすることが
なくて、ただじっとしているのはつらい。 時間が経つのが遅い。 時計ばかり見ている。

 生来、ゆっくり、のんびり、ボーっしている事が苦手だ。 70歳を過ぎた今、 「年寄り」 という
自覚はないが、確実に無理が利かない身体になっていることは今回の件でもわかった。
まずは、この腰痛がとれるまで、用心して出歩かないようにしよう。



     KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:29おしゃべり通信(KOGA)

2020年12月04日

石油ストーブ

 だんだん寒くなって、石油ストーブを使う気候になった。 20リットル入りポリ容器2つを
持って、行きつけのガソリンスタンドに行った。 

 若い男性職員に、 「1人暮らしで重い物を持てないから、灯油を入れてもらえますか?」
と頼んで、10リットルずつ入れてもらった。 「これから寒くなるにつれて度々来ますから、
よろしくお願いします。」 と言ったら、 「あ、いいですよ。」 と快く引き受けてくれた。 

 車の助手席と後方に1つずつ入れてくれた後、「家に帰ったらどうするんですか?」と言う
ので、 「両手で持って、うん! と力を入れて運びます。」 と答えたら、 「大変ですね。」 と
言った。

 ガソリンスタンドの職員は入れ替わりが多い。 今回の職員さんは初めての人だった。
家に帰ってからの事まで気にしてくれたのは彼が初めてだった。 ほんのささやかなひとこと
でも一人暮らしの身には嬉しい。

 帰りの車中、もっと年を重ねてホントに10リットルの容器も持てなくなったらどうするか・・・
そして思い出した。 実家の父が灯油を抱えきれなくなった時、各部屋の石油ストーブを
全部電気ストーブに変えたのだ。

 空調の暖房はあるが、父はあのモワーッとした温風が好きではなかった。 私も同じである。

 石油ストーブでは、厚底の鍋に小石を入れて石焼きいもができる。 冬の間、しばしばそれが
私の昼食になる。 まだ数年間は石油ストーブを使いたい。



     KOGA
  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:02おしゃべり通信(KOGA)

2020年11月24日

スマホの電話番号

 久しぶりに落合恵子さんの新刊本を読んだ。 暮らしの日常が綴られたエッセーで、 「明るい
覚悟」 というタイトルである。  著者の飾らない優しい語り口に、穏やかな陽だまりのような
温かさを感じながら読み進んでいくうちに、私の代弁をしているような文章に出会った。

 「スマホに変えた。 実に長い間ガラケー。 スマホには変えないとなぜかかたくなに決めて
いた。 そう決めていたのにスマホを持ったのは、母に介護が始まったからだ。

 新しい機種に慣れるのに時間がかかる。 さらに、取扱説明書の類をちゃんと読まない。
担当の人の親切で丁寧な説明を聞くのもすぐに飽きてしまった。

 ガラケーからスマホに変わる時、電話番号を移動してもらった。  電話以外のデータを使う
ことはほとんどない。 

 登録済みの電話番号。  7年間の母親の介護が終わった後も、在宅でお世話になった
看護婦さんやドクターの番号がそのまま登録されている。 その他、7年間の間に亡くなった
友人たちの番号も。

 眠れない夜、気持ちが不安定に揺れる深夜など、指先が思わず登録したある番号にタッチ
しそうになる時がある。 もう一度彼女たちの、それぞれの声が聞けそうな気がして。」

 私のスマホにも消していない番号がある。 それは4年半前に亡くなった夫の名前だ。
これは多分、いつかスマホを買い替える時も消さないような気がする。



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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 16:26おしゃべり通信(KOGA)

2020年11月17日

障害と障がいの違い

 私が居住する宇城市の広報11月号は、 「普通って何だろう」 という 「発達障がいを知り
共に働く」 の特集が組まれていた。

 熊本県障がい支援課によると、県では平成20年から 「害」 には負のイメージがあるため、
人や人の状態を表す場合には固有名詞や専門用語などを除いてひらがな書きをするように
なったという。

 この記事を読んだ日のNHKテレビ 「クマロク」 で障がい者の絵の展示会が紹介された。
その時の表示が 「障害者」となっていて、放送局でも県の対応とは違っているのだなあと
思った。 その次の日、熊日新聞でもやはり 「障害者」 という漢字表記だった。

 いつの頃からか思い出せないが、 「呆け」 を 「認知症」 に言い換えるのは比較的浸透が
早かったように思う。 「呆け防止に〇〇している」 という人はいるが、認知症の人を 「呆けて
いる」 と言う人はほとんどいなくなった。

 表現(ことば)だけ言い換えても、その症状や状態について本当に理解がなければ寄り添う
事は出来ないのではないかと思うが、せっかく障害の 「害」 の字を 「がい」 にしようという県の
提唱があるのだから、広く普及していけばいいなあと思う。



     KOGA
   


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:05おしゃべり通信(KOGA)

2020年11月11日

フランスのロックダウン

 本の帯に 「緊急出版」 とあった。 フランス在住18年の著者、 辻仁成氏が3月中旬から
5月中旬までの約2か月間、パリでロックダウンを経験した生活を日記形式で綴っている。

 それまであった日常がいきなりストップし、商店もカフェもレストランも閉鎖され、地下鉄も
通らなくなった。 市民は外出制限・移動制限を受け、当たり前だった価値観が一変した。

 著者は16歳の高校生を育てるシングルファーザーである。 ロックダウン中、息子と一緒に
手づくりの美味しいものを食べることで笑顔になり、外出できない不満や苛立ちを和らげようと
努力している。

 この日記は6月18日分までの記載である。 それから約5か月、アメリカを始めとする世界
中の国で新型コロナウイルスの感染者が増え続けている。 日本も同様だ。

 タイトルの 「なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない」 がズーンと心に響いた。
アフターコロナの暮らしを考える時、繰り返しこの本を読んでみたいと思っている。



      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 15:06おしゃべり通信(KOGA)