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Posted by おてもやん at

2018年05月28日

流し

 5月も終わりになって、夏を思わせるような暑い日が多くなった。 施設入所中の母の
衣類を入れ替えようと、収納引き出しを片付けていたら、母が 「流しが来るから、まだ
セーター類は置いといてくれ」 と言う。

 「流し」 という言葉を久しぶりに聞いた。 私が子どもの頃、母は梅雨の事を「流し」と
言っていたのだ。 その事を友人たちに話したら、誰も知らないと言う。 母の故郷である
鹿児島の方言なのかなあと思った。

 ところが、過日の夕刊の気象予報欄に 「たけのこ流し」 という言葉が掲載されていた。
「たけのこが生える時季に吹く、雨を伴った南風」 の事だという。 「流し」 とは南風の事を
指したり、九州では古くから梅雨の事も 「流し」 という、とあった。

 熊本県は6月初旬頃 「梅雨入り」 するらしい。 テレビの天気予報でも、梅雨に備えての
湿気対策や台所用品のカビ防止の方法等が伝えられている。

 今年の 「流し」 は、どんな雨の降り方になるのだろうか。 食中毒等にも注意して、長雨を
楽しむ気持ちの余裕を持って過ごしたいものだ。



      KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:41おしゃべり通信(KOGA)

2018年05月21日

ホタル

 5月15日、90歳で亡くなった父の「七回忌」 のため、県外にいる次男夫婦が3泊4日の
予定で帰ってきた。

 16日夜、次男がビール片手に外に出て行き、すぐ戻ってきて「ホタルがいる。」 と知らせて
くれた。 庭木の緑は沢山あるが、全く水気のない所にたった1匹、静かに点滅している。
その場所は水道メーター器の上だ。

 よく17日は、私の誕生日。 不意に3年前に亡くなった夫が来てくれたのではないだろうかと
いう思いがよぎった。 気持ちがざわついて、そうっとそのホタルを両手に包み込み、闘病中、
夫が寝ていた部屋に放した。

 電気を消したら、ほわん、ほわんと光りながら、部屋のあちこちを飛んだ。 しばらく一人で
その点滅を眺めていたが、はかない命を自然に戻そうと思って、また、そうっと両手に包んで
庭に放した。

 夫が亡くなって感傷的になる事はあまりないが、未だに時折揺れる地震の時は、「今、地震が
きたね。」 と、地震の怖さを共有して語る相手がいないのは寂しいと思う。



        KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:24おしゃべり通信(KOGA)

2018年05月10日

戻された手紙

 私には、ロサンゼルス在住50年になる叔母(母の妹たち)が2人いる。 上の叔母は
90歳。 下の叔母が81歳になり、もう日本への一時帰国は難しい年齢だ。 それだけに
望郷の念は強いだろうなと思って、毎月1~2通、手紙で日本の様子や施設にいる母の
暮らしぶりを伝えている。

 先日も2人の叔母に、同じ図柄の封筒に同じ切手を貼り、同時に同じポストに投函した。
2日後の夕方、我が家のポストに1通の見慣れた封筒が入っていた。 それは私が叔母に
出したはずの手紙だった。

 一般的に手紙が差出人に戻されるのは、切手不足とか宛名違いとか、理由が書かれた
付箋が付いてくるものだが、これは全くそのままの状態で戻ってきていた。 2通出したのに
1通だけ戻ってきたのはどうしてだろう?

 2年前にも同じ経験をしたことがある。 この時は叔母が熊本地震のことをすごく心配して
いたので、その時の状況を詳しく書いた手紙を送ったのだが、2週間後に戻ってきたのだ。
とっくに届いているものと思っていたので、ショックだった。

 この時は最寄りの郵便局に行って理由を聞いたが、窓口の男性は、「配達の者が帰って
きたら聞いてみます。」 と言うだけだった。 配達の人にわかる事ではないだろうと思った。

 封筒には、ちゃんと国際郵便料金の110円切手を貼り、「Air ・ Mail」 と書いていた。
なぜ、こういうミスが起こるのだろうか。 分からない。


       KOGA  


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 11:47おしゃべり通信(KOGA)

2018年05月02日

温かなさようなら

 「温かなさようなら」 という本の紹介記事を新聞で見て、購入した。 人は必ず死ぬ。
その最期の旅立ちをどうするか。 多種多様の考え方がある。

 本書は、大阪のある葬儀屋が、心から死者を悼みその生前を記憶する、そんな遺族に
寄り添った70編の実話が納められている。

 若い高校教師がバイク事故で突然死。 女子生徒が 「 さよなら先生。 またね 」 と
悲しみをこらえて語り掛ける。

 また、86歳の女性が亡くなり、息子夫婦とその一人息子が残された。 「 おばあちゃん、
ええとこ行きや。 ありがとな。」 と語り掛けた孫が、遠方から来る親族を迎えに駅に行く
途中、交通事故に遭い、死亡。 それは、あまりにも悲しい旅立ちであった。 

 他にも、母子家庭で懸命に生きた母親が亡くなり、一人残された娘。 
 身寄りのない一人暮らしの老人が地域の人々に見送られた話など。

 すべての物語に目頭が熱くなったが、タイトルどおり 「温かなさようなら」 が心を満たして
くれた。
      

     
      KOGA
   


Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:37おしゃべり通信(KOGA)