2016年11月14日

お便りボランティア その1

 私は今、69歳。 50歳になった時、何かボランティアをしたいと思った。
自分が楽しくなければ続かないと思っていたので、私に何ができるか考えた。
そして思いついたのが、「お便りボランティア」だった。

 松橋町社会福祉協議会にボランティア登録をして、紹介されたのが、一人暮らしで
82歳のAさんだった。 この方は、難聴で読み書きもできないとの事。
県外にいる息子さんに、Aさんの様子を知らせるお便りボランティアである。

 79歳の弟さんと暮らしていたが、彼に認知症の症状が出て施設に入所されてから、
一人暮らしになられたという笑顔のかわいいおばあちゃんである。
「夜が、おとろしゅうはなかばってん、とぜんなか。」と言われて、胸が熱くなった。

 毎月1回、訪問して彼女の昔話や、問われるままに私の家族のことを話したりして、
息子さんに便りを書いた。「今日は、髪をカットしてかわいくなっておられました」とか、
「腰が痛いと言っておられましたが、自然な老化現象によるものだと思われます」等、
あまり心配かけないような明るい内容を心掛けた。

 2001年2月から始めたこのボランティアは、2009年10月、Aさんが亡くなるまで
続いた。 8年間で106通の便りを出していた。 私と息子さんが文通する訳ではない
ので、差出人はAさんの名前にしていた。 返信は無く、ずっと一方通行だったが、
それでも私は構わないと思っていた。
 息子さんとはAさんのお葬式で初めてお会いした。 彼は、私と同い年だった。

 Aさんとの8年間の交流で、私はたくさんの学びと思い出をいただいた。


                          KOGA

 


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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 14:32 │ボランティア