2017年05月23日

誕生日の決意

 元教師だった夫の最初の赴任地は、天草市の「本渡中学校」だった。 青年教師の夫は、
陸上部の顧問として放課後、遅くまで生徒達を鍛え、送って行ってはそのまま生徒さんの
家で夕食をごちそうになることも多かったという。

 結婚後、最初に連れていかれたのがAさん宅だった。 ご両親が満面の笑顔で迎えて
くださったのを覚えている。 

 Aさんが中学校を卒業後、毎年「同窓会」が開かれて、私も招かれるようになった。 夫が
県内あちこちに転勤になっても同窓会は続けられ、その夜はAさん宅に泊めていただいて
お母さんに迷惑をかけていた。

 その内、Aさんが結婚したのを機にAさん宅が宿泊所になった。 彼女の子どもが3人に
なった時、宿泊をホテルに変えた。 この同窓会は夫が亡くなるまで約40年間続けられた。

同窓会はなくなったが、私は年に一度はいつの頃からか「本渡のお母さん」と慕っている
Aさんの実家を訪ねている。 お母さんは、この3月12日に94歳の誕生日を迎えられた。

 本人の話によると、親族が集まったお祝いの席で、「みんな、ありがとう。さあ、これから
100歳に向かって頑張るぞ。これからもよろしくね。」と挨拶されたという。 この話を聞いて
私は感動した。

 高齢社会にあって、病院・施設等人生の最後をどこで迎えるか、人それぞれである。
何といっても在宅が一番、とは誰もが望むところではないだろうか。 しかし、どこが最後の
居場所になるとしても、「歳を取りすぎた。周りに迷惑をかける。」という気がねや遠慮がある
のも事実だ。

 「本渡のお母さん」のように、自分の寿命が尽きるまで、前向きに明るく生きていきたい。


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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:40 │おしゃべり通信(KOGA)