2017年10月23日

本が好き

 早朝、ウォーキングのために外に出た。 空に白っぽい、丸い月が浮かんでいる。
歩きながら子どもの頃、何かの本で読んだある光景を思い出した。

 田舎の夜道、母と子が歩いている。 子どもが、「ねえ、母さん。 月はどうして僕たちに
付いてくるの?」 と尋ねるシーン。 ただそれだけの事だが、ずっと心に残っている。

 もう一つは、小学校一年の教科書に載っていた「北風と太陽」。 北風と太陽が、どちらが
強いか競争することになった。 下界を見ると、ちょうど外套を着た一人の男が歩いている。
その外套を先に脱がせた方が勝者になるという物語だ。

 北風は、精一杯の力で外套を脱がせようと吹きまくる。男はしっかり外套を握りしめて
離さない。 次に太陽は温かい日差しを送り続け、ついに男は外套を脱いだ、という話だ。

 この物語が、私を本好きにさせたきっかけだった。 それを知った父は、貧しい家計の
中から 「グリム童話」 「アンデルセン」 「イソップ物語」等の本を買い与えてくれた。

 本屋さんに行って、自分で初めて選んで買った本は、「イワンのばか」である。その時、
私はこの本の著者が世界的文豪のトルストイだとは知らなかった。

 70歳の今日まで、本はずっと私の暮らしと共にある。 そんな事をとりとめもなく考えながら
ウォーキングを終えて我が家に戻って来た時、やはり、おぼろげな月は私に付いてきていた。



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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 16:51 │おしゃべり通信(KOGA)