2018年03月14日

足が冷たくて眠れなかった夜

 年末から今年にかけて厳寒の日が続いていたが、ようやく春めいてきた。 でも、まだ
寝る時は、足元にアンカを置いている。 電気毛布が欠かせないという人や湯たんぽの人、
ペットボトルにお湯を入れている人等、それぞれ色んな寒さ対策をしていると思う。

 2年半前に亡くなった夫は、59歳の時 「心臓バイパス手術」 をした。 朝、手術室に入ったが、
夕方までかかる大手術だった。 ようやく手術が終わった時、執刀医から 「今夜は病院の近くで
待機するように」 と言われた。 幸い、実家が病院のそばだったので助かった。

 夜になって、私が 「このままコタツの所で寝る」 と言うのを、母は強引にベッドで寝るように
言った。 仕方なくベッドに入ったが、足が冷たくてなかなか寝付かれない。 布団の中は
冷え切っている。

 眠れないままようやく夜が明けた早朝5時、母が 「病院から電話がなくてよかったね。」 と言った。 
母も眠れなかったのだ。 何ごともなく朝が迎えられた安堵感は、今でもはっきり覚えている。
夫は手術後、3日間 「集中治療室」 にいた。

 「頭寒足熱」 という言葉がある。 あの夜、コタツに足を突っ込んでいれば、少しは眠れたかも
しれないと思う。 親しい友人にそのことを話したら、 「辛いことや心配なことがあったら、身体も
心も冷え切ってしまうのよ。」 と言った。 あの夜の足の冷たさは氷のようだった。

 夫はあの手術から14年生きてくれた。


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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 10:55 │おしゃべり通信(KOGA)