2018年11月29日

友人からの手紙

  四十数年前、私が新聞投稿を始めた頃、私の投稿文に関心を寄せてくれた人がいて
文通が続いている。 お会いしたことはないが、いつも文面から優しい人柄が伝わって
くる。

 今年の春頃から闘病中のご主人の容体が悪くなり、現在はホスピス病院に入院中で
ある。 看病しながらの様々な思いを綴る内容の手紙が多くなった。 先日届いた手紙に
よると、手のひらいっぱい飲んでいた薬を全部止めて痛み止めの薬だけになったとの事。

 「小康状態を保ちながらも爆弾を抱えているような気持ちでふすまを張り替え、畳替えを
し、庭の剪定を頼んだりして家の内外を整えています。 でも、夫にはみんな内緒のこと
です。」 と書いてあった。

 続けて、 「毎日、一つでも楽しい事を見つけて過ごしている私の一日を、ノートに書いて
持って行っており、それを夫は楽しみにしています。 毎日、病室から帰る時は必ず手を
握ると、細くなった手を振り 『ありがとう。 車は用心して運転しなっせ。』 と言います。」
とあった。

 最後に、「私、思うのですが、今が一番肉親のような夫婦になりました。 若い時は手を
つないだこともなく、感謝の言葉など全くなかった夫が、私にありがとうと言います。」 と
彼女は書いていた。

 三年前、夫を亡くした私の心は、涙でいっぱいになった。



KOGA


同じカテゴリー(おしゃべり通信(KOGA))の記事画像
ポピーの開花
同じカテゴリー(おしゃべり通信(KOGA))の記事
 区役 (2021-05-12 10:40)
 ハルちゃん (2021-04-28 10:26)
 母の薬代 (2021-04-21 10:12)
 竹の子 (2021-04-12 15:10)
 観葉植物の植え替え (2021-03-31 14:00)
 地震の恐怖 (2021-03-22 14:17)

Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 16:47 │おしゃべり通信(KOGA)