2019年05月23日

鹿児島銘菓「あく巻き」

鹿児島に暮らしている母の従妹から 「あく巻き」 が届いた。 施設にいる母に食べてもらいたい
という従妹の優しい思いやりが感じられてうれしかった。

 私が子どもの頃だからもう60年以上も前のことになるが、母の実家では 「端午の節句」 に
「あく巻き」 を作っていた。簡単に言うと、もち米を灰汁水に一晩漬け込み、それを竹皮に包んで
縛り、6時間ほどゆっくり炊き上げたものだ。

 炊き上がったあく巻きの竹皮を剥ぐと、あめ色になった 「ういろう」 のようなものがプリプリ揺れる。
それを当時は大人たちが縦に持って、糸を口にくわえてあく巻きを数センチ、ぐるりと一回りさせると
きれいに切れていた。

 平たい皿に乗せたきな粉と刻んだ黒砂糖の上に、ぽとんと落ちるのが子ども心に不思議で、見て
いて飽きなかった。

 あく(灰汁)の匂いが残っている独特の風味は、子どもにはあまり馴染まなかったが、甘いものが
少なかった当時は、祖父母や叔母たちと一緒に食べたものだった。 私にとっては子どもの頃の
鹿児島の田舎の懐かしい食べ物だ。

 3本いただいたうちの1つは、友人にプレゼントした。 「初めて食べる。」 と言って、珍しがって
くれた。 もう1つは、故郷が鹿児島だという友人に届けた。

 そして、94歳になる母には、のどに詰まらせないように小さく刻んで、きな粉と粉黒砂糖をたっぷり
かけて持って行った。



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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 23:16 │おしゃべり通信(KOGA)