熊本県高齢者介護施設・住宅ガイドブログ

　麻混の衣類を何枚か持っている。　それを着た後、洗濯をしたら必ずアイロンをかけな
ければシワが多くて着れない。　 　アイロンかけする度に思い浮かぶ言葉がある。

　私が４０代の頃だから、もう３０数年も前の事だ。　当時、私は 「岩田屋伊勢丹」 の婦人服
売り場で主婦パートとして働いていた。　四季を通して、季節を先取りした様々な婦人服が
仕入れられていて、ショウケースに並べたりマネキンに着せたりのディスプレーで、客に
アピールする仕事は楽しかった。

　ある日、マネキンが着ていた麻のスカートを見ている中年女性がいた。　「麻はシワになる
けんねえ。」 と彼女がつぶやいた時、そばにいたベテラン販売員がサッと近づいて、 「シワは
気になさいますな。」 と言ったのだ。

　販売のプロにきっぱりそう言われると、そういうものかと妙に納得したものだった。　「そうか、
麻製品のシワはあって当然なのだ。」 と。

　年を重ねるごとに、シワやシミ・たるみ等の変化が顔や身体に表れるのは当たり前の事。
アンチエイジングと言われ、ファッションから化粧品・フィットネスクラブ等に気を遣い、若く
見られたい女性たちは多い。

　７０歳代になった今、麻製品のシワだけでなく、顔や身体のシワも気にしなくていいのでは
ないかと思いつつ、シワになったシャツにはアイロンをあてている。



　　　　　　KOGA