2019年12月18日

ライオンのおやつ

 図書館で、 「ライオンのおやつ」 という本が目に留まった。 単純にライオンが食べるおやつの
ことかなあと思ったら、全く違っていた。 

 末期がんを患った33歳の女性が、瀬戸内海に面する小さな 「レモン島」 にある、ホスピス 「ライ
オンの家」 で暮らした約1か月間のことが、ふんわりと優しい言葉で綴られている。  ここでは
入居者のことをゲストと呼ぶ。 朝食は365日、ゲストの胃に優しいお粥でもてなされる。

 毎週日曜日の午後3時、ゲストたちは 「おやつの間」 に集まる。 おやつのメニューは、ゲストの
リクエストで決まる。 これまでの人生で、一番心に残るおやつにまつわるエピソードや思い出を
書いて、リクエストボックスに入れておく。 

 当日、誰のおやつが選ばれるかわからない。 その日出されたおやつを前に、マドンナと呼ばれる
ホーム長が書かれた内容を読み上げる。 性別・年齢・病歴等が異なるゲストたちの様々な人生が
語られた後、みんなでおやつをいただく。

 命の最期の時を、こういうホスピスで迎えられることに憧れさえ抱いてしまう、美しい物語である。



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Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:48 │おしゃべり通信(KOGA)