病室の友情
十数年前、市の「介護予防教室」で親しくなったAさんが、膝の手術で熊本市内の
病院に入院されたので、お見舞いに行った。
手術後は朝夕2回のリハビリがあるという。 4人部屋で、Aさんの向かいのベッドの
人がリハビリから戻ってきて、笑顔で「終わったよ。」と言いながらハイタッチされた。
次のリハビリがAさんだったのだ。 その親しげな様子に驚いた。
初めは知らない者同士だったはずなのに、同じ手術を受けて退院までの6週間、
寝食を共にする内に、だんだん交流が深まっていくようだ。 男性同士だったらこうは
いかないのではないかと思う。 女の武器は笑顔とおしゃべりだと思った。
1週間後、再訪したらちょうど二人一緒に入浴に行かれるところだった。 お風呂グッズ
を入れた大きなリュックをパジャマの背中に背負い、杖をついて5階の部屋から2階の
浴室までエレベーターでおりていくのだ。
Aさんは80歳。 家族のもとを離れ、痛い手術に耐えて回復を待ちながら、持ち前の
明るさで入院生活を楽しんでおられた。 「こんな温かい雰囲気の病室はないですよ。」
と言ったら、Bさんが「内臓の病気じゃなかけんな。」と言われた。
こんなお見舞いは行く方も楽しい。
KOGA
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