熊本県高齢者介護施設・住宅ガイドブログ

　９４歳になる母が、 「介護付き有料老人ホーム」 に入居してから５か月になる。　その前は、
「老人保健施設」 にお世話になっていた。　そこは母にとって居心地が良く、　「ずっとここに
いる。」 と言っていたが、施設の運営上の決まりで長く留まることはできなかった。

　運よく実家近くに 「老人ホーム」 が開設されることを知り、転居することになった。　馴染んだ
「老健」 を出て、新しい住まいに移ることを母は納得しなかった。　要介護１で歩行器を使って
自力歩行はできるが、家事全般に亘っての一人暮らしは無理だとわかっていた。

　しかし、母は 「老健」 を出る時、自宅に帰ると言ってきかなかった。　「家事全般すべてできる。」
と言い張る。　そこで、老人ホームに移る前にいったん家に戻ることにした。　

　私も母と一緒に実家にいたが、 「やはり一人で生活するのは無理だ。」 と納得してもらうため、
なるべく手伝わずに見守りに徹した。　私が同居することも提案したが、それはイヤだという。
三日後、母は自分の意思で 「老人ホームに行く。」 と言った。

　母の居室を母らしい部屋にしてやろうと思って、壁に絵を貼り、蘭の花や緑の鉢物を置き、
使い慣れた小物を置いた。　新聞もとっている。　週１～２回、母のところに行くが、もうすっかり
慣れて、 「ここはね。食事がおいしくて夜も良く眠れて、時々職員さんとおしゃべりして、ここが
一番よか。」 と言うようになった。

　そして、 「この分だと百歳まで生きるよ。」 と言ったので 「百歳まであと６年あるよ。」 と返したら、
「たった６年しか無かな。」 と言うので思わず笑ってしまった。
環境順応力があると思う。



　　　　　KOGA