2017年02月28日

「足らざる」を考える

 日本では、バスや電車の中で高齢者や障がいを持つ人を見かけたら、「どうぞ」と席を
譲るのが普通です。 自分の目の前に高齢者が立ったままでいると、周囲の目が自分に
注がれるようで、居心地悪くなるのか、「変わってあげる」ではなく、普通に反射的に立つ
人が多いようです。

 それが 「普通」 と思っていたら、実はそうではなく、 「余計なお世話と思われるのでは
ないか」 と考える人も多いそうです。

 北欧ではバス全体が低床で、お年寄りの乗り降りをサポートしており、お年寄りだけで
なく、子どもも大人も座りやすい車内の作りが、乗降を楽にしています。 デンマークで、
ディサービス送迎のマイクロバスに同乗させてもらった経験がありますが、日本でよく見る
「車いすごと乗車・移乗できる」 タイプがほとんどで、送迎バスを体格の良いボリュームの
ある男性が一人で運転し、一人で利用者の乗降をゆっくりと介添えする姿が印象的でした。

 日本ではマイクロバスの場合、運転者の他に介助者が必ず同乗していますが、最近は
普通車や軽自動車での送迎も多く、女性が一人で対応している例も多いようです。
「安心・安全」 を目指す事業所が、地域のお年寄りの実態を知るためにも、「送迎中の会話
が重要なんです。・・」と、細い道路の自宅前まで車をつけてくれます。

 母がディサービスを利用していた10年前までは、家から歩いて5分、車止めのある「農協
倉庫前」に集まって、送迎車が来るのを待ったものでした。

 少しでも、利用者の 「楽」 を考えてくれているのだ、と思います。 今、母が生きているなら、
「家の前まで迎えに来て」と言うでしょう。 「もっと」 「もっと」 と望むことに、応えることがいい
ことか・・・考えてしまいます。


            ほしこ


同じカテゴリー(つれづれに(ほしこ))の記事画像
四つ葉のクローバー
同じカテゴリー(つれづれに(ほしこ))の記事
 「約束されない明日に」  ”今”を大切に (2017-06-14 13:26)
 四つ葉のクローバー (2017-05-10 10:19)
 「約束されない明日に」  あなたは大丈夫? (2017-04-17 15:17)
 デパート巡り (2017-04-12 15:11)
 高齢者の転倒事故 始末記 (2016-12-08 11:09)
 断捨離 (2016-11-16 13:30)

Posted by 熊本県高齢者介護施設・住宅ガイド at 13:32 │つれづれに(ほしこ)